再放送されていた野沢尚の名作ドラマ「恋人よ」観ました。良かった。連ドラを観る快楽というものをきちんと味わわせてくれる、濃いドラマだった。これって確かノベライズ版がドラマと同時に出されて「観てから読むか、読んでから観るか」とかいうキャッチコピーで話題になったんだよなあ。そのせいか、ストーリーの完成度が高くて、最後の最後まで丁寧に筋がまとめられていた。
それから、特筆すべきは鈴木保奈美。一本芯があって強いと周囲に思われ、自らもそう振舞うんだけど、実は脆い(弱音を吐かないのではなく、吐けないタイプ)…みたいなそういう役が多いんだけど、このドラマの役どころもまさにそれ。自分の「テリトリー」ということもあるのか存在感がとにかく抜群(凛としてて、きれいで…ちなみにおさげのエプロン姿なんてもう…マジ「激萌え」です)。
相手役の岸谷五郎との手紙のやりとりはこのドラマのポイントの一つなんだけど、彼女の手紙の文体が少し硬めなのも、彼女の雰囲気にきちんとハマってるし。やはりその雰囲気の持つ説得力みたいなものが、ドラマに力を与えていたと思う。
特にラストシーンはドラマ史に残るレベル。ちなみにあの主役の二人が立っている場所は少なくとも「この世」ではない。「輪廻」が始まる場所・書かれたはずの無い手紙が語られる場所…つまりあの場所は「あの世」或いは「この世」と「あの世」の境界線にある。セリーヌ・ディオンの「この世」のものとは思えぬ異様なまでの「声圧」が木霊し、毒々しい真紅が背景に広がり、鈴木保奈美が例のあの眉間を1mmも動かさない「アルカイックスマイル」で佇む「その場所」はまさに、「この世ならぬ世界」を鮮烈に表象している。だけれどもそのオカルティックでリアリティの無いシーンが最も僕たちの胸を打つというこの逆説は、僕たちの「人生」という観念がどのように成り立っているかを示唆するだろう。僕たちの生は経験的な次元のみで成り立ってはいないのである。
…というのはどうでも良いけど、11月発売とやらのDVDマジ欲しいんすけど。
(追記1)
鈴木保奈美演じる「愛永」が岸谷五朗演じる「宇崎航平」に宛てた最後のラブレターを書き留められている、あやめさんの『水兵リーベ僕の船♪』のEntryをクリップ。ちなみに些細なことですが「今はただあなたのこれからの長い人生に揺るぎ無い幸福が齎される事をお祈りいたします」の「揺るぎ無い」は「揺るがせの無い」ではなかったでしょうか。いずれにせよ、鈴木保奈美という女優さんの真骨頂が発揮されたシーンですよね、ここは。
(追記2)
「恋人よ」が現在(8/25)色んな地域で再放送されているらしいですね。放映後の余韻が残っている方もかなりおられるようで、「ドラマ 恋人よ」という検索での当サイトの訪問者が激増しております。ですが、御覧の通り、ここにはこんなしょうもない感想しかありません。ごめんなさい。で、「ふざけんな!」とお怒りの方に、せめてもの罪滅ぼしとして、台湾の「恋人よ」特集サイトをリンクしておきます。その充実ぶりたるや「圧巻」の一言です。
(追記3)
上記の「特集サイト」が現在(2007.9)リンク切れです。というわけでそれには少し劣りますが、やはりこれも台湾のサイトを2つ紹介しておきます。
《其の1》
《其の2》

