「検挙された犯罪者のうち何人再犯者が含まれているか」=「再犯者率」ではなく、「一度処分された犯罪者のうち処分後一定期間内に再び犯罪を犯す人の割合」=「再犯率」に近いデータが出てきたみたい(この記事に示されているのは正確には再入所率)。
2001年に出所した「強制わいせつ犯」の内、2003年までに8.3%が再び同じ罪を犯して刑務所に舞い戻ってきたと。再犯率は「執行猶予を受けた犯罪者」も考慮に入れなければならないので、これよりもう少し高くなりそうなのだけれども、奥村弁護士によると(「日記みたいなもの。」経由)禁錮刑の前歴を持つ者はほとんど執行猶予はつかないらしいので、おおよそ「再入所率」≒「再犯率」と考えていいだろう。
これが高いか低いかだけど、それは相対的にしか決まらないので、他の重要犯罪の再犯率も示してくれないと何とも言いようがない。しかも重要犯罪の内、「殺人」とか「誘拐」なんていうのは何度も繰り返せる犯罪じゃない(刑が重いので刑務所を出たり入ったりということが出来ない)。というわけで「重要犯罪の中でトップ」というのはちょっと印象操作に近いものがあると思う。そんなにミーガン法を成立させたいですか。
とは言え、今まで矯正プログラムがほとんど無かった中で9割以上が更生していること、全受刑者の再入所率は約30%強、といったことを踏まえると、ますますミーガン法の必要性の根拠が薄くなったということは言えそう。
ちなみに前述の「日記みたいなもの。」によると、警察庁はミーガン法の根拠である「(一般的な)性犯罪者の再犯率の高さ及び、危険性」を示すことが出来無かったので、方針を転換して「児童を対象にした性犯罪者」に絞り込んだデータ、また「児童は防御能力が低い」といった理由を強調することで、ミーガン法の有用性を喧伝しようとしてるふしがあるらしい。
そうやって官僚は無理矢理にでも自分の「縄張り」を増やそうとするのですねえ。
(参考)
「児童小銃」(2005.2.25)
「日記のようなもの。」(2005.2.26)
(関連Entry)
性犯罪者の再犯率?


Comment (2)
はじめまして。時々拝見させてもらっています。
有益な情報ありがとうございます。官僚の情報操作は毎度のことですが、きっと新聞やテレビは官僚の情報操作にそのままのっかっているのでしょうね?私は新聞はWebで見るだけ、テレビは持っていないので分かりませんが。
Commented by: zhen | 2005年02月27日 06:16
日時: 2005年02月27日 06:16
一般論として、記者クラブ制度の下で、メディアと官僚の間に馴れ合いが生じ、メディアが「官報垂れ流し状態」に陥っている、みたいな話はよく聞きますね。
あと今回の議論に関しては、これまでほとんど全てのメディアで「再犯率は40~50%」(某「専門家」は「性犯罪者の再犯率は7~8割というのが国際常識」などと吹いてたそうです)といった報道がされてきたわけですから、いまさら「再犯率はそれほど高くなかった」みたいな軌道修正はしにくいということもあるのかもしれないですね。
Commented by: deadletter | 2005年02月27日 09:17
日時: 2005年02月27日 09:17