非常に興味深いEntryのご紹介。
この一連の裁判劇の発端となった職務質問について考えてみよう。8月2日の夜10時半頃、東京渋谷の繁華街を歩く高相祐一被告にうしろから駆け寄った警察官3人が声をかけたことが、今回の一連の覚せい剤逮捕劇の発端である。
しかし、この職務質問から現行犯逮捕に至る場面で、大きな、そして素朴な疑問は無いだろうか。すなわち、渋谷の繁華街で、夜10時半ぐらいに歩く男性(高相被告)に、どうやって警察官3名は「当たり」をつけて職務質問をしたのか――という疑問である。…(中略)…実際には高相被告は、ズボンの下に用心深く覚せい剤の包み(0.817グラム)を隠し持っていたのであって、いくらワインのソムリエ級の嗅覚でも、繁華街の中をわずか1グラムに満たない粉末を誰かが隠し持っているのをかぎ分けることは到底無理だろう。
もう一つの疑問は、単なる「職務質問」が、2時間以上に及んでいる点だ。「所持品を見せて欲しい」と執拗に迫った3人の警察官は、何を根拠に、それほどまで高相被告に迫ったのかということだ。それは、あたかも、高相被告のズボンポケットに、絶対覚せい剤が入っていると確信しているような執念深さではないだろうか――。至極尤もな疑問だ。そしてこの記事では一部で流れる「内偵説」を説得的に否定した上で警察問題に詳しい弁護士による「種明かし」を行っている。それによると…
その弁護士は、「刑事弁護をふつうに手がけてきた弁護士なら大抵知っていることだと思いますけどね…」と前置きして、現場の警察官が覚せい剤の売人と「手を組む」という方法を教えてくれた。その弁護士に言わせれば、この方法はそう珍しいことではないらしい。
警察官が薬物を路上で売っている外国人を見つける。その手の外国人の多くは日本での在留資格が無いことを知っているので、警察官は次のように切り出す。「おまえは逮捕しない。その代わり覚せい剤を買いに来る人間を“紹介”してくれ」
売人のほとんどは在留資格がないので日本でまともな仕事に就けない。しかし本国に強制送還されても、本国ではもっと仕事が無い。だから、何としても日本に留まりたい。その弱みに一部の警察官はつけこむわけである。警察官に取り引きを持ちかけられて、売人に「いやだ」という選択肢があるはずがない。商談成立ののち、その売人は、自らの不法滞在と薬物売買を見逃してもらう代わりに、“顧客”を警察官に売るのだという。
警察官にとって、この方法のよいところは、苦労しないで確実に仕事上の実績(ノルマ)を上げることができるという点だ。
逆に売人を端から摘発してしまえば買人も近寄らなくなるから「継続的な」ノルマ達成が困難になる。だから何もせず野放しにし、それを餌にそこに寄ってくる買人をノルマ達成のネタにする。薬物を買いに来た人間こそが実は警察にとってノルマ達成の大切な「顧客」であったという話。
しかし、いつも買人だけしか逮捕しないと、上司から不審がられますし、そうは言ってもその上司も同じことをしていたはずなのですが、検察官や裁判官にも疑問に思われるようになるのもまずいことです。だから、たまには売人を逮捕しなければならなくなります。売人逮捕は上に対する単なるポーズでしかなく、そしてその上司もその「お約束」を充分に知った上で黙認。ちなみにその警察の親玉さんはこんなことを言っておりましたねえ。
警察庁の安藤隆春長官は20日の定例記者会見で、女優の酒井法子容疑者(38)ら芸能人が薬物事件で相次いで逮捕されたことを受け、「芸能界関係者は薬物事犯を一掃するよう、再発防止に真剣に取り組んでもらいたい」と述べた。恥を知る人間には到底出来ない言動である。長官は「芸能人の薬物事犯は社会に与える影響が大きく、特に青少年への悪影響が懸念される」と強調。今年上半期の大麻事件の摘発者数が統計の残る1991年以降最多で、20代以下が6割を超えるなど若者を中心に薬物使用が拡大する中、芸能界の薬物汚染に強い危機感を示した形だ。
安藤長官は、芸能界から薬物を一掃する取り組みが社会全体での乱用防止を進める力になる、と訴え、支援する意向を示した。
芸能界から薬物一掃を 警察庁長官が求める【共同通信】

