最近「チャングム」にハマっている(しかも家族じゅうで)。
どれくらいかというと、先週と先々週の日曜日には朝10時から夜10時くらいまで飲まず食わずでぶっ通しの「チャングム上映会」を敢行するくらい。
現在韓国映画が充実していて、傑作が次々と出ていることは知ってたんだけども(よく観るし)、テレビドラマはどうも…という印象が強かった。
けれどもこの「チャングム」に関しては、ただただ素晴しいの一言に尽きる。複雑な因縁と人間関係、様々に絡み合う思惑と策謀、そして流転し続ける因果の皮肉。善玉・悪玉を超えた人間臭い魅力を湛える登場人物たち。観る者はその中に誰か1人は必ず感情移入できるキャラクターを見出せるだろうし、また物語の見事な展開に画面から目が離せなくなるだろう。まさに傑作である。
次々に事件が巻き起こり、展開が起伏に富むという点では、今人気のアメリカのドラマ「24」シリーズとも同じなのだけれども、何と言ったらいいのだろう。「24」は「事件はあってもストーリーがない」のに対して、「チャングム」はそこにきちんとストーリーがあるという感じだろうか。点が線になっているというか。それも決して単純な線ではなく。
またこのドラマは単純な勧善懲悪でもサクセスストーリーでもない。
例えば敵役のチェ一族は、放っておけば宮中に起こるであろう血で血を洗う権力闘争を、影で処理する役、「汚れ役」を担うことでその存在意義が認められ、畏怖されもしてきた。いわゆる「マフィア」だ。もちろん彼らは善人ではないし、あくどいことに手を染めまくるのだけれども、ならば彼らを正義の名の下に追放すれば事は済むのか?おそらくそうではない。事実、物語の後半、視聴者はそのことを主人公チャングムとともに「しみじみと得心」することだろう。
というわけで、途中から観始めてもたぶん充分面白いのだろうけど、その真髄を味わうにはやはり最初から連続して観ることを強くオススメしたい。ただしとんでもない長さだし、いったん観始めると止められなくなり、せっかくの休日がまるまる潰れる可能性があるので、そこは注意が必要だ。
ちなみに僕は、健気なチャングムに確かに感情移入した部分もあったのだけど、やはり終始アンビバレンツな感じを拭えなかった。なんでしょう。やはり彼女が色々な意味で「天才」だからだろうな。天才の「無邪気さ」ってほんとうに「残酷」なんですよね。周りにいる「単なる秀才(それも宮中に集まるような優秀な人であればあるほど)」にしてみればそれ以上の悲劇というか、惨めさはないわけだから。
それにしても仮に、このレベルの作品が1年に1本、いや、数年に1本であれ韓国で観ることが出来るのだとすれば、「韓国のお人はほんとうに羨ましいですねえ」と言わざるをえないし、日本の(少なくとも近年の)ドラマはレベル的に完全に追いつかれたどころか、追い抜かれて逆に相当の差をつけられていると見るべきだろう(というかそもそも日本のここ最近のドラマは、文字通り「お話」になっていない)。
(追記)
昨日NHK総合にて「チャングム」最終話が放映された。ところでNHKは放送にあたり多くのシーンをカットしている。そして残念ながらDVDもノーカット版ではなく、NHKが編集したものがそのまま収録されているだけ。そこで、ご存知の方も多いとは思いますが、ドラマの歴史的背景、オリジナル版との比較等、カットされているシーン含めて詳細なストーリーガイドを掲載されているBlogをリンクしておきます。ちなみに、僕は放送終了後PCの前に飛んできてはこのBlogで放映された回のカットシーンをチェックするのをいつも楽しみにしていました。(11/19)
『大長今』ストーリーガイド(現在リンク切れ)→作者「solcov_b」さんのサイト